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余生を楽しむ三流クライマーの日常

甲斐駒ヶ岳Aフランケ赤蜘蛛ルートの登攀~登攀編~

date:2021/10/13~16

member:Sikaou,Utti

 


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登攀編。徹夜の長距離運転と荷揚げと過酷な偵察、そしてとどめの酒少々のおかげで昨日は早々に爆睡。岩小屋に張ったツェルトは快適だった。5時起床、6時出発。偵察のおかげでわずか30分弱で到着。わずかに染み出しがあるが、無風、快晴、気温もちょうどいい。最高のコンデションだった。

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岩小屋を出発。無事に帰ってまたこの場所で祝杯をあげられるだろうか。

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朝日に照らされる甲斐駒ヶ岳山頂

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岩場は見事に乾いていた。昨日は雲海の中でじめじめしていたが、本日は空気がカラッとしている。

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7時、登攀開始。今回は奇数ピッチを自分、偶数ピッチをUttiさんが登ることに。前評判通り、1ピッチ目の2ピン目が遠く、かなり苦戦した。ヌンチャクを掛けるだけで疲れた。終了点前でカム♯0.5を使用。

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上から見た図。

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2P目。クラックが続くが、適度にリングボルトが打ってある。

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2P目上部、20m進んだところでピッチを切ったため、後半20mと3P目の10mを自分が進むことに。見事なコーナークラック。

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上から見た図。本来の3P目の10bセクションがUttiさんのいる辺りで、コーナーから左隣のクラックへ移動する。草と土でクラックが埋まっているのでフリーでは厳しいと思ったが、上手い人はこの状況でもリードで行くんだなぁ。

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4P目、A1で小ハングを超える(本来はそこが3P目の終点)。フリーの場合は左のスラブからV字ハングへ向かうらしい。

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V字ハングの辺り。ここもA1で抜けたが、どう考えても5.8ではないだろう。

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10時、大テラスへ到着。かなり順調なペースに一安心。唯一の休憩地なので、ここで水分補給する。

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5P目、トポでは40mとあるが20mぐらいしかない。ここは簡単。

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5P目の途中から、ついにスーパークラックが目前に!テンションが上がる。

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核心となる6P目。フリーではこの右のクラックを使用する。

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カムエイドなので#2以下を2セットフルに使用した。

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上から見た図。

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6P目終点はリング3本。高度感もある場所なので自己ビレイだけでかなり怖い。

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7P目、恐竜カンテを越え最後はフリーで抜ける。単純な人工と思いきや支点が遠く途中でカム#1、2を使用する。6P目のフォローから継続してリードするので体力的に一番厳しいピッチとなった。

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恐竜カンテを回り込んだ辺り。立木の上あたりでカムを使用する。

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上から見た図。暑すぎて足が痛いので裸足の自分。

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8P目。フリーなら10bcとあるが、人工なら全く問題ないピッチ。

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9P目。3級とあるので一応ザイルは繋いだまま進む。50m進んだ辺りで終了した。そのわずか5m上にAフランケの岩小屋があった。

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14:30、Aフランケの岩小屋に到着。帰りがヘッデンになるようなパーティーがいる中、なかなかいいペースで登ることができた。

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14:40、無事にベースの岩小屋に到着。喉の渇きも限界でヘトヘト。

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今回の山行はかなり軽量化を意識したが、Uttiさんがビールを用意していたことには感動した。言うまでもなく、最高の一杯だった。用意した酒は全ての飲み干し、19時には死ぬように眠りについた…。

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夜も見事に快晴で、星空と甲斐駒ヶ岳を望むことができた。酒が足りなかったのが残念…。

下山編へ続く…