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余生を楽しむ三流クライマーの日常

弥山東稜の登攀

date:2024/01/29

member:Sikaou,Hige,Seo

 

今シーズンは雪が全く降らない。大山の初登りもこんな時期になってしまった。温暖化の影響なのか何か分からないが、西日本で暮らす我々が簡単に冬山を楽しめる機会はどんどんなくなってくるのかもしれない…。

6時起床、普段に比べてかなりゆっくり準備し、弥山東稜を登るが、貸し切り状態だった。西稜でさえ2~3パーティー別山の1パーティー(しかも撤退)の状況。降雪直後と言うことで、とにかく厳しいラッセルに終始し、緊張感のある登攀は味わえなかった。苦労してピークに着くも、天候は最悪。ホワイトアウトの中、感慨に耽る暇もなく即下山した。

前日はもちろん作戦会議のためしこたま酒を飲む

大山神社の様子、思ったより雪が多くて安心した

西稜の取付、ラッセルに苦戦する先行パーティー

東稜の取付、ここまでのアプローチも結構厳しく、さらにここから尾根までの登りが核心となった。

ようやくスッキリとした稜線に出る。

問題なさそうだが、今シーズン初と言うことで、一応ザイルを出す。

馬車馬のように2人にガシガシ進んでもらう

見ての通り、雪が多く稜線上もラッセルが続く

途中一度は天気が回復するも、再びホワイトアウトする

上部の核心部、支点が取りずらくランナウトする

核心を越え、あとはひたすら稜線を目指す

稜線はすぐそこだがガスでほとんど視界がない。結構寒かった。

とりあえず稜線に到着。縦走する予定だったが、視界も悪く時間も掛かったので、夏道を下山することに。

天気が悪いので今日はハイカーも少ない。なんとか記念撮影をお願いし、あとは走って下山した。このコンディションで登れてよかった。

 

年末の涸沢岳西尾根・奥穂高岳

date:2023/12/28~30

member:Sikaou,Utti,Yam

 

恒例の年末山行。例年、この時期は山のコンディションが悪く色々なアクシデントに見舞われる。涸沢岳西尾根から奥穂高岳、バリエーション的にはパッとしないルートだが、ようやく実現することができた。初日は2400m手前までの単調な登り、2日目にアタックをかける。甘く見てバイル1本で挑んだが、涸沢岳と奥穂の雪渓登り&下りが意外に厳しく、なかなか緊張した。強風の山頂は滞在時間1分だったが、思いのほか素晴らしい山行になった。2日間、良いお酒も飲めたなぁ。

day1 新穂高温泉~2400m

day2 2400m~涸沢岳奥穂高岳

取り付きの巨大なトウヒ

雪が少ないのでなかなかの藪漕ぎが続く

そして油断できない木登り、アイゼンは不要だが結構滑る

快適なテン場、今日は東京農大の学生さんと貸し切りのようだ

今回はあまり重量は気にしなかったので、猪肉ステーキで乾杯!

ゆっくり起床し、とりあえず鎌田富士を目指す。トレースも残っているので楽ちん。

鎌田富士への稜線歩き、風が強く寒い

鎌田富士下の鞍部で先行パーティーに追いつき、後は先頭に躍り出た

雪渓の登り、かなりガチガチなのでバイル1本で来たことを後悔する

アイゼンも前爪しか入らず、結構疲れた。ここを下山で使うと思うとウンザリする。

まずは1つ目のピーク、涸沢岳を目指す

風が強いのですぐに小屋を目指す

当然だが小屋は空いてないのでその場で休憩し、奥穂を目指す。この時が一番風が強くてきつかったかも。

凍った梯子、これは寒い

岩稜の右ルンゼを登る、ここもかなりガチガチで緊張した

間もなく山頂へ!

山頂で記念撮影!寒いので即下山する。

下山、このルンゼの下降が一番緊張した。ここはやはりバイル2本欲しい。

凍ったルンゼを前爪だけで下降する

鎌田富士からの下山、正面の笠ヶ岳が格好いい

テン場に到着、明日も天気は良いので大混雑!

最高のテン場で宴会。今日はもうセーブしなくて良いので、涸沢岳山頂でゲットしたエビのしっぽでジンのロックを楽しむ。

翌日、ダラダラと下山する。今日も入山する人が多い。きちんと下山報告を提出。

帰りは高山市内を観光。高山ラーメンは、あまり美味しくなかった。

 

七面山「LongHope」の登攀 その2

date:2023/11/3~5

member:Sikaou,Utti

 

その1の続き。3時半起床。準備を済ませ、4時半に小屋を出発する。寒いが、軽量化のため我慢して薄着で移動する。途中の沢でがっつり水分補給し、取り付きに到着。体調も岩場も最高のコンディションだ!

結果から言うと、LongHope、無事に7時間半でトップアウト!オールオンサイト&セカンドも荷物を背負いながらノーテンで抜けることができた。12ピッチの内、イレブン台の2本がやはり厳しかったが、それ以外にもエッジの効いた好ピッチが続く素晴らしいルートだった。開拓者の方には心の底から感謝したい。

次は・・・、やっぱり明星山かなぁ。

 


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TOPO1

TOPO2

1P目:10-(52m)。とにかく長いルートで、難しい場所は無いが後半、ザイルの重さに怖くなる。軽量化のため7.9mmのツインロープで挑んだが、それでも結構重い。

上から見た図

2P目:5.8(48m)。ここも特に問題なし。ルンゼ状をひたすら進む。

3P目:Cont.(30m)。核心となる4P目に繋がるアプローチ。藪の中を突き進む。

3P目の終点は快適な広場。

4P目:11-(45m)。階段状を10mほど右上し、そこから細かいエッジを繋ぐフェースクライミングが始まる。

核心となる中間部のフェース

無事に核心を突破し、小ハングを越えるとようやく終点。このピッチも長い。セカンドの自分は6kgのザックに苦しませられながらも、なんとかノーテンで抜けた。

5P目:10+(40m)。ハング帯を越えるところがちょっと難しいが、快適なピッチ。

ハング帯の辺り。岩が脆いので怖い。

上から見た図。

6P目:10(30m)。中間のレイバックと小ハングを右上する辺りが難しい。この岩場は逆層が多いので、このハング越えのムーヴが何度も出てくる。

レイバックの辺り

7P目:10-(25m)。出だしだけ少し悪いが後は快適。高度感抜群!

8P目:11-(50m)。2つ目の核心ピッチ。ボルト16本、細かいカチを繋いだ2つのハング越えの後、終了点前のバランシーなフェースが難しい。ロープもかなり重いのでかなり緊張したが、なんとかオンサイト!

2つ目のハングを越える。

おそらく核心の辺り、ロープの流れが悪く緊張する。

核心部を上から見た図

9P目:10(45m)。ハングを越え、テクニカルなフェースを登る。全体を通して一番好きなピッチだった。エッジを繋ぐ美しいライン、開拓者の方のセンスを感じる。

ハング越え。ここも脆いので怖い。ジャミングが使える。

10P目:Cont.(25m)。ブッシュを右上するが、Fixがないとかなり怖いかも。

上から見た図

ビレイポイントにあるLongHopeの証

11P目:10-(48m)。右上し、カンテ状を登る。ここも高度感のある素晴らしいピッチ。

終了点の様子

長かったLongHopeを振り返る。すごい高度感だ。

12P目:Cont.(10m)。ちょっと悪いのでザイルは必要だろう。

栄光の証。13時40分、トップアウト。ようやく靴が脱げる。

歩いて山頂を目指す。

七面山山頂。

小屋に戻り、無事に宴会を開くことができた。ジン、ウィスキー、ワイン、ビール、全部飲み干した。

翌日はゆっくり下山し、五條市の温泉が最高だった。

天理ラーメン、美味しかった!