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余生を楽しむ三流クライマーの日常

小窓尾根の登攀

date:20240427~29

member:Sikaou,Utti,Yam

 

ようやく十数年越しに小窓尾根を登る時が来た。決して困難なルートではないのになぜか毎年色々なトラブルが重なり、もはや我々の中では「一生登ることのできない呪われた山」と化していた。今回も、富山県への申請を3週間前に済ませたものの、あまり期待せず代替案を考えながら時間を過ごす。そして気づけば出発当日になっていた…。天気もいいし、体調もいい。トラブルもない。順調すぎて逆に不安を感じてしまう。

馬場島に着いても現実感がなくフワフワしていたが、尾根に取り付いた辺りでようやくスイッチが入る。快晴の中、順調に高度を上げ、途中からノートレースの小窓を楽しむことができた。2日で下山も可能だったが、せっかくなので剱岳山頂で1泊した。

達成感よりも「登ってしまったなぁ」という喪失感が大きい山行だった。人生であと何回、こんな素晴らしい感覚を味わうことができるだろうか…。

馬場島~小窓尾根~剱岳~早月尾根/total 20.1km

雪のない番場島

白萩川の渡渉を避けるため、赤谷尾根をトラバースする

無事に渡渉なしで小窓尾根に到達

しばらくは雪のない尾根を進む。大した藪漕ぎはないので安心した。

ようやく雪が出てくる。

2100m付近で初日は終了。すこしガスっているが、快適なテン場。

ビールと鹿肉ジャーキーで乾杯

夕日も素晴らしかった!

2日目、雪渓のクラスト具合もちょうどいい

懸垂下降、ここで先頭に出ておいて良かった

本日も快晴

岩稜の登り、コンディションによりザイルが必要になるかも

三の窓への懸垂下降、ここのためにザイルを2本持ってきたが、下部は傾斜もないので1本(25m)で行けたと思われる。

三の窓からチンネを望む。ばりばり5Gが入るので、UACの加藤さんに写真を送る。

長い雪渓登り。10年前に登った時はガチガチ凍って厳しかったが、今回は楽勝。

雷鳥と遭遇。

ようやく長い雪渓を越えるふくらはぎパンパン。

八ツ峰のパーティーと遭遇。本日は貸し切りだったようだ。

山頂はもうすぐ

無事、誰もいない山頂に到着。まだ余裕があるが、せっかくなのでビバークする。

山頂手前の鞍部に快適なテン場を設営

ウィスキーで乾杯。ちなみに氷は途中のツララを拝借した。

最終日、本日も快晴。

山頂に雷鳥。今回は2度も遭遇できてよかった。

名残惜しいが即下山開始。早月尾根も結構悪い場所がある。

懸垂下降。結果的には必要なかったと思う。

さらば、小窓尾根。

無事に下山。よかったぁ。