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余生を楽しむ三流クライマーの日常

三鈷峰北西稜の登攀

date:2023/2/4

member:Sikaou,Utti

 

今シーズン3度目の大山はまだ登ったことがなかった「三鈷峰北西稜」へ。記録が少ない山を登るのは、それだけでワクワクする。先週の寒波の影響で雪量が多い上に、風も強く降雪もある中で登頂できたのは良かった。技術的な難しさは滝沢リッジと同じくらいだと感じたが、行程の長さを考えればこちらの方が上だろう。下山し駐車場に着いた時は、二人ともかなりヘトヘトだった…。

7.6km、9時間半の行程。取り付きから山頂までは6時間を要した。

下宝珠尾根へのアプローチ。予想通りトレースは無く、膝上のラッセルが始まる。

取り付き手前で三鈷峰を望む。小雪が降る中、全景を確認できてよかった。

取り付き。相変わらず、雪にしまりがない。ワカンを装着するも、藪がひどいこともありすぐに壺足に変更した。

ここでアイゼン装着。ザイルも使用した。写真では分かりにくいがかなり風が強いので、両端が切れ落ちたナイフリッジは怖かった。

この辺から岩稜の手前を左にトラバースした。

樹林帯は激しいラッセル。これならまだ恐怖感のある岩稜帯の方がマシ。

ここもザイルを使用。分かりにくいが上部はほぼ垂直の岩稜。ここは左上し、ルンゼ状の樹林帯を突破した。ここの藪が一番きつかった。

上から見た図。岩稜帯を過ぎ、藪の中を進むUttiさん。

ザイルを繋いだまま進む。ここもかなり厳しい藪漕ぎだった。

天気が猛烈に悪化。風が強く霰状の雪が顔面にぶち当たり目が痛い。ここですでに時刻は11時半、余裕がないので正面の岩稜を避け、左のルンゼに転進する。

藪の無い雪渓は単なるラッセルなので快適!ぐいぐい距離を稼ぐ。

再び岩稜にぶち当たる。両サイドは切れ落ち、逃げ場はないので直登する。残置ハーケンがあるのでこのラインで間違いないのだろう。

順番的にUttiさんに任せたが、おそらくここが核心部。乏しい支点に耐え、積み木のような岩稜を登るには高い精神力を強いられる。羨ましいピッチだった…。

核心部を越え、視界が回復する。相変わらず風は強いが、目指す山頂はもうすぐだ!

ずっと天気が悪かったが、この瞬間だけでも視界が回復して良かった!

山頂。やはりトレースはないので下山も苦労しそうだ…。

ユートピア手前、支柱に姿に積雪の凄さを感じる…

勝間ケルンも無事に通過

宝珠尾根から元谷へ、ようやく安堵する。

駐車場到着!今日は日山協の講習会があったようだ。