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余生を楽しむ三流クライマーの日常

旭岳東稜の登攀②

date:2021/12/29~30

member:Sikaou,Utti,Yam

 

登攀日。4時起、他パーティーの気配で目が覚める。当日入りしたパーティーに話を聞くと、同じ旭岳とのことだったので安心したが、結局、自分達の方が出発が早くなり、以降は延々と山頂までラッセルだった。3人とも吐き気との闘い。核心となる五段の宮までちょうど5時間、八ヶ岳でこれほどのラッセルは予想していなかった。五段の宮から山頂までさらに5時間、登攀もだが、やはりここもラッセルに時間が掛かる。

山頂に着くと猛烈な吹雪で視界が塞がる。なんとかゴーグルを装着し、あとはひたすらツルネの下山路を目指す。同日に権現岳東稜を登ったパーティーのおかげでわずかにトレースが残っており、何とか無事に安全圏に達した。最後はヘッデンを点けて小屋に辿り着いた。久しぶりに充実した山行だった。

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旭岳東稜のログ

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ナイフリッジ、ここは結構怖かった。

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岩稜手前、徐々に傾斜が増す。

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適当に取り付いた草付が思いのほか悪かったので、2ピッチほどザイルを使用した。

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ここを越えるとようやく五段の宮に到着。

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う~ん、思ったより雪が付いてて難しそう。支点も取りずらそうだ。

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1P目、おそらくこのルートの核心部。3段目の上部でピッチを切るのが正解だったみたいだが、流れが悪いので2段目で後続を迎える。

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上から見るとただの雪稜に見えるが、雪は薄被りなのでホールドとしては使えない。何とかフリーで抜けたが、すでに手がパンパン。

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2P目。ここも支点が取れず難しい。3段目、厳しい凹角を越えアンダーのガバを持つまで安心できない。

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4段目辺り。ここは正面壁を右から回り込んでいくが、このトラバースもなかなか怖い。

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5段目、ここも足場が高く難しい。相変わらず支点が取りずらい。

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5段目の終点。なんとか2ピッチで抜けれた。

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天狗尾根方面でヘリが何度もホバリングしている。後で知ったが、その付近で事故があったそうだ。山の西面はかなり風が強そう。

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ザイルを外すか微妙なところだが、コンテで山頂を目指す。ここもやはりラッセル。

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山頂手前のピッチ、ここはザイルを使用。薄く雪の積もったスラブがいやらしい。

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ここを越えると旭岳山頂。残念ながら、風が強すぎるので写真を撮り忘れた。ザイルを解除してすぐに下山開始。

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ツルネに到着。ここから200mぐらい進むとようやく安全圏。久しぶりに猛烈な風を受け死ぬかと思ったが、先行パーティーのおおかげでスムーズに下山することができた。

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小屋内はテントが増え、賑やかな夜になった。エスパース3張りと小さい1人テンが1張り。12時間行程はさすがに疲れた。

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最終日は天狗尾根に行く予定だったが、天気は悪いし事故もあったようなので中止した。また降雪があったので、やはり下山もラッセルに悩まされる。

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2時間足らずで登山口に到着。

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帰りに食べた諏訪名物の味噌カツ。美味しいが、量が多かった…。