date:2021/03/07
member:Sikaou,Utti
今シーズンは積雪が多かった割に融雪が早く、大山も北壁は楽しめそうにないので、今回は三鈷峰の北東面に向かう。大山寺付近はほとんど雪がないが、下宝珠を越えると一気に雪が多くなる。阿弥陀滝を下降し、北稜の取り付きを見て尾根の登攀は断念し、東谷から三鈷峰に突き上げるルンゼを登ることにした。正式な名称は無いようだが、2009年の野人さんの記録(三鈷峰 北東面Bルンゼ (仮称) 滑降 (sakura.ne.jp))で「三鈷峰北東面Aルンゼ」と紹介されている。
先日の降雨と低い気温のおかげで雪面はガチガチ状態。遠目には緩いと思われた傾斜は徐々に急になり、後半300mぐらいはふくらはぎが悲鳴を上げる。アイゼンは前爪しか刺さらず、バイルもなかなか刺さらないほど固い氷が続き、山頂に抜けた時は心底安堵した。落氷や落石の危険、そして高度感のある厳しい登攀だったが、大山の奥深さを感じる素晴らしい山行だった。三鈷峰のエリアもまだまだ楽しめそうだ。
三鈷峰北東面Aルンゼ(仮称)の登攀